頭のでき 決めるのは遺伝か、環境か

以下の本はIQアップに関して書いてありますが、子育ては、IQよりも大切なものもあると思うので、IQアップに関してあまり神経質にならない方がいいかとは思います。

「頭のでき―決めるのは遺伝か、環境か」
知能な環境によって変わる。環境が知能を育てる。知能は努力と工夫次第で高めることができる。20世紀後半の専門家の多くは、うまれつき才能をもった人はいずれ開花すると考えられていた。その説の間違いが証明されてきた。正しい教育をうけていない人が賢くなることない。学力や仕事の成功には、どんな環境でどんな経験をつんで来たことの方が大事である。バスケットなどのスポーツは、身長が高い子はバスケットを楽しめ、周りにパスケットをする影響がととのっているからであり、バスケットがうまい遺伝子があるからではない。

子供と話す場合に高いレベルの語彙を使って話す。子供との会話に大人の会話に参加させるなど、子供の知能を延ばしやすい。IQテストやコンピューターゲームなど利用して、流動性知性高めるが、賢いことをほめるのではなく、難しいことに挑戦したことをほめる。

人数の少ないクラスに入るだけで、学力が上がる。この影響は、少なくとも7年生まで有意な大きさで続く

賢いことを褒められた子供の66%が、自分の賢さを示せる簡単な問題を選ぶ。一方、懸命に取り組んだことを褒められた子供の90%以上が、自分の限界を試し、さらに上達する方法を教えてくれる問題を選ぶ。

母乳で育てることにより、IQが約6ポイント上がる。

幼いころ、欲しいものを手にするまで、長く待っていられた子供は、集中力があり、計画をよく立てられ、挫折に強く、ストレスにうまく対応できる。幼児期の満足遅延能力が高いほど、高校でのSAT(アメリカ大学入学試験)スコアが高かった

運動している母親から生まれた赤ん坊の方が、頭が大きい。脳が大きい方が平均的に知能が高い

学校は明らかに人を賢くする。学校で知識や問題解決のスキルを学べば、IQのスコアが上がる。学校での一年間は、年齢の二年分に相当する。

専門職の親は子供に対して、1時間当たり約2000語を話すが、労働者階級の親は約1300語。また、専門職の親は、世の中について、自分の経験や感情をその都度説明し、子供の興味や希望を尋ねる

日本や韓国を含め、儒教の伝統がある国では、知識そのものに価値があるという考え方が薄い。討論のための知的道具である論理を実世界へ当てはめるのは、西洋人のほうが得意

子供の知能を高めるには、学校の一年生で、できる限りよい教師のクラスに入れさせること。新人の教師は避けること

IQを伸ばすには、アジア人やユダヤ人のように、自分の知能は自分でコントロールできると信じること。そして、親がその成果を求めること。そうすれば、驚くような効果がもたらされる

養子を対象とした研究において、育てられた環境が、上層中流階級か下流階級かでIQが12から18ポイント違ってくる。環境が知能に影響を及ぼす程度は高い

親が上層中流階級に属する子供は、IQの遺伝性が0.7であるのに対し、下流階級に属する子供では0.1。これらが意味するのは、下流階級の親から生まれた子供は、環境が知的に十分豊かであれば、IQが高くなる可能性がかなりあるということ

日本人は技術者としては優れているが、科学では立ち遅れている。日本では、年長者を立てることに大きな価値が置かれるため、年老いた科学者に多くの研究資金が流れる。西洋のように、一人一人の成果に報いて、個人の野心を尊重することが、科学では望ましい

アジア系アメリカ人において、社会経済的に進んだ前世代のIQが、一世代でさらに引き上げられるのは、ユダヤ人の知的成果と同様に、文化がどんどん高い足場を積み重ねていることで説明できる

貧富の差は明らかにIQに影響を与える.アフリカ系の少年間には勉強をしようとするものへのいじめがあり,それが悪い影響を与えている。アジア系については,勤勉を尊ぶ風潮,家族のためにがんばるという意識がIQを高める方向に働いているという議論になっている。
 頭のでき―決めるのは遺伝か、環境か