中国バブル 日本国債バブル

大前研一さんの経済の分析は詳細で、数行では表現できないので、簡単な部分だけ以下に。世界経済を理解し海外投資などしたい方には良いかと思います。最近、中国バブルや日本国債バブルに関して言及される方が多いのが気になるところです。

「お金の流れが変わった」

中国の共産主義が「ある人が金持ちになったら、それをうらやんだりねたんだりしてはいけません。あの人が金持ちになれたのだから、あなたがなれない理由はない。」と国民に吹き込んだ。

中国にもバーバリーはあるが大半は偽物。本物は日本でしか手に入らないのだそうだ。

中国は足下に巨大な爆弾を抱えている。「中国バブル」の崩壊だ。バブルが崩壊すればサブプライム危機の比ではない。中国でおきているバブルは、かつて日本やアメリカが経験したものとは次元が違う。年棒の100倍以上を借りてマンションを購入している人も珍しくない。日本の国債が暴落しても、中国の不動産バブルがはじけても、世界経済は奈落の底に沈むのである。

サイバー経済では、無料で名講義を見る事ができる。知的にハングリーな人々には、たとえお金があまりなくても、いくらでも学ぶ機会が転がり込んでくる時代なのである。

ここ三十年ほど、金利よりも不動産価格の上昇率のほうが確実に高くなっている。理由は簡単で、引退してからここに住みたいとみんなが思う風光明媚で気候が温暖な地の不動産供給は、数に限りがあるからだ。

日本の国債は、いざとなったら「徳政令」を出して借金を踏み倒しても日本人だけしか被害を受けないので、政府がその気になればいつでもできる。

日本人がお金を使わない大きな理由は「いざというときのため」だが、いざというとき必要なものが相続税から免除されるなら、安心してお金を使えるのではないか。すでに先進国のうちイタリア、オーストラリアなど17カ国は相続税を免除しているが、その最大の理由は、高齢者に貯まりやすい資産を若い世代に譲渡して経済を活性化するという知恵である。

高齢者の懐には恐ろしい額のお金が貯まってしまった。700兆円だったその額は、バブル崩壊後「不況だ、不況だ」との大合唱にあおられて増え続け、いまや1400兆円にまで膨らんでいる。こんな国は世界のどこを探してもない。国民の消費マインドが高まってこれが市場に出てくれば、景気は一気に回復する。日本人の特徴である「内向き、下向き、うしろ向き」の三拍子をかなぐり捨てて、「外向き、上向き、前向き」に私たちは進んでいかなければならない。

お金の流れが変わった! (PHP新書)