勝負パンツ

イギリス人の方からみた日本に関してのレポートです。本では、以下では書ききれない多くの日本の変なところ、面白いところ、良いところが書かれており、筆者の観察力がすごいなと思える一冊でした。日本人はルールに従いすぎるから、できることでもできないと思ってしまうと言う人もいますが、ルールも良い時もあれば、悪い時もありますね。難しいところです。あと筆者も感心した「勝負パンツ」って英語でないんですね。アルクで検索しても英訳でてこなかったです。

ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート

日本人はプールの中でも、彼らが社会で要求されいてる役割を演じているように見える。子供達は、プールの外でと同様、活発に遊び回っている。お年寄り達は驚くほど元気で、世間話をしながらウォーキングをしている。そして社会人はひたすら泳ぐ。こうしたことはイギリスとは大違いだ。イギリスのプールを上からみるとゴチャゴチャでワケがわからないことだろう。

プールでは日本人の信じられないような我慢強さを目にすることもある。泳ぎの遅い人がいたら辛抱強く列になり、ルールに従って追い抜かない。「初心者向けのレーンで泳いではいかがですか」とお願いするよりも、あえて不便な思いをするのもやむをえないと考える人がいるわけだ。多くの人にとって明らかに迷惑であるにもかかわらず、個人を大切にすることは美徳と言って良いだろう。おそらくこの我慢強さこそが人口を多すぎる日本列島を曲がりなりにも暮らしてゆける場所にしている要因に違いない。

規則のおかげで日本のプールはうまく機能しているが、外国人は規則は面倒すぎるようである。なんでも注意される日本のプールに、ローマから来た男の子は、「うるさいプール」とよんでいた。

日本人は親切。マナーのよさには「伝染病」があることだ。人は礼儀正しい振る舞いをするたびに、自分も同じ水準の礼儀をもって振る舞おうと心がけるだろう。イギリスでは悪い言葉使いが当たり前になって都市ではマナーの悪い言葉遣いが当たり前になりつつあるようだ。良いマナーの人達との間で暮らすのと悪いひと生活するのに大きな違いが生じてくるのだ。

ぼくのお気に入り日本語表現ベストスリー。3位は「勝負パンツ」これを言葉にしないイギリス人には、みんなそう思っているのだとみな感心した。2位は、「上目遣い」女性の中には、何か頼み事をするときに、まるで子供のように哀れっぽい訴えかけるような目つきでぼくを見上げるというトリックを使う人がいる。1位は「おニュー」英単語の前にたった一文字つけ加えるだけでそれだけのニュアンスを伝える。

チケットのないぼくを係員は黙って中にいれてくれた。小さなトラブルをこのように自然と解決してしまう能力のことを、ぼくらは「ガイジン パワー」と名付けた。

もしレジ打ちの速さや技量についての世界ランキングがあるとしたら、間違いなく日本が第一位だろう。

納豆はすきですかと尋ねられるのはもう10回目だ。これは「日本は好きですか」である。ぼくはこ質問には「イエス」と答える事をお勧めする。そう答えておけば、君は話し相手の共感をえることができるからだ。

歌舞伎は歌舞伎町でやっていない。
日本の「パブ」はパブではない。
日本人社員は数時間の残業をすることなしには帰宅できないが、外国人の君は帰宅できる。

「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)