そろそろ利上げの時期

日本では、為替取引をFXといいますが、アメリカではForexといい、FXといっても伝わりません。この本は、為替経済に興味がある方には面白いと本かと思います。量的緩和に関しては、為替だけでなく株価にも影響してきます。FOMCが今年末に利上げをするとかしないとかでアメリカでも常にニュースの話題になっていますね。とくにアメリカの金融政策は、世界市場にも影響を及ぼす事が多いので、注目しておいても良いかと思います。FOMCの会議のスケジュールはこちらから確認できます(http://www.federalreserve.gov/whatsnext.htm)。12月16日が次のFOMCミーティングです。利上げしても何も影響ないかもしれませんし、2008年のようなバブルがおきるかもしれませんし、誰にも予測できませんね。利上げするかしないかを予測してもどうにもならないので、どうなってもいいように準備をするのが無難かと。ちなみに、量的緩和QE、量的金融緩和の縮小のことは、Taperingといいます。

円のゆくえを問いなおす

米国とイギリスは短期間で強力な金融政策と量的緩和時における日本の金融政策を比較すると、米国とイギリスは短期間で強力な金融緩和を行ったことでデフレ予想の払拭に成功しました。わが国の場合は緩やかな金融緩和を長期期間にわたりつづけたことで、デフレ予想を払拭することができなかった。日本以外はインフレ率がマイナスになった状況を短期間の金融緩和で脱しているが、日本の金融政策は長期間にわたって小出しに金融緩和を行っている事がみてとれる。デフレを脱するには、短期間に大規模な金融緩和を行う事が必要となるのです。

量的緩和政策によって緩和的な状況が当面続くという予想を人々が持つと、その予想が短期金利のみならず長期金利を低下させるというものです。

為替レートの競争的切り下げ競争とは、事実上は金融緩和競争なのです。

為替レートの変化は人為がまったく及ぶ事がない自然現象ではないのだ。深刻な円高とデフレが続くのは天災ではなく人災である。

短期的な為替レートの変化に右往左往するのではなく、「円」の過去、現在、そして未来を問い直す事こそ、我々にとって必要なのではないでしょうか?

円のゆくえを問いなおす―実証的・歴史的にみた日本経済 (ちくま新書)