遺伝子組み換え食品の影響

私たちも知らずに遺伝子組み換え食品を食べているんでしょうね。あのオルガニックを押しているホールフーズでさえ、企業利益のために遺伝子食品をつかっていたとのは衝撃でしたね。企業の利益のためにGMラベル表示義務化がなかなか進まないようです。

貧困大国アメリカ
GM(遺伝子組み換え)のトウモロコシを与えられたラットの死亡率は2倍から5倍。食品市場に、爆弾が投げ込まれた。

GMラベル表示義務化が否決された時はショックでした。ホールフーズを覆面捜査したら商品全体の二割から三割にGM作物が使われていた。GMラベル表示義務化の住民投票キャンペーンに、賛同人リストにホールフーズの名前はない。GM入り食品をラベル表示なしで販売していれば当然の行動ですね。

ターミネーター種子は発芽した時点で枯れてしまう。特許料の支払いから逃れようと農家がこっそり種子を保存しても、実ができないため翌年に使う事ができなくなる。種子が手に入らなくれなれば、その国の自給率もゼロになる。アメリカ政府は世界最強の軍事力に並ぶ、外交交渉の協力な武器を手に入れた。食料を自給できない国に対して、脅威を与えたいときは、ただ穀物の輸出を止めるだけで良い。

TPPが実施されれば、それぞれの国が持つ規制や独自経済政策能力といった主権が制限され、投資家と国籍企業は完全に法治国家を越えた協力な力をもつことになる。

リーマンショック以降、貧困層ワーキングプア人口が拡大するなか、SNAP(食料支援プログラム)への支出は年々ふくれあがり政府予算を大きく圧迫している。SNAPの申請は簡単でCMやテレビで広告されているのは奇妙だ。なぜ雇用対策よりも生活保護対策に力をいれるのかに理解が苦しむが、じつは、低賃金や失業で困窮しているアメリカ国民が救われるだけでなく、食品業界の消費が増えて経済が活性化する。貧困児童は、ジャンクフードで肥満率があがり、子供の医療費が増えて、低所得層の家系をさらに圧迫するという、悪循環を起こしているのです。SNAPの内容を栄養に配慮したものにする法案が出されるたびに、コカコーラ、ウォルマート社など食品業界が束になって反対の圧力をかけてくる。ビザを持たない不法メキシコ移民の子供達にSNAPを受給させることは、これはも国家ぐるみの貧困ビジネスです。

失業率が回復したニュースは、企業が使い捨てしやすい底辺の仕事が増えたという意味。労働者はとても生活していかれないが、企業にとっては景気も国内の経営条件もどんどん改善している。 

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)