街場の憂国論

神戸女学院大学名誉教授の内田樹さんのお話。今の若者は、金儲けよりも自給自足の農業に向かっているとのこと。経済を発展させることが、国民の幸福につながるわけではない。国民は、経済がよくなれば、すべてがうまくいくと勘違いしてる。なかなかおもしろい話でした。

「街場の憂国論」
今の自民党は、今のシンガポールを見本としている。デモクラシーは金儲けの邪魔、話し合で意思決定が遅れたら今の金融マーケットについていけないという考え方。独裁制の方が、金儲けに効率がよいので、日本の政治をそのようにつくりなおそうというのが、今の流れ。経済発展市場主義者は、国全体を企業のようにして金儲けをしよう。感性がある人間はだまらせようとしている。自分の寿命を基準にして、日本国民の健康など長期を考えず、短期で利益をあげようとしている。この価値判断を国民国家にのっけてしまうと国民が迷走してしまう。

今、脱、経済市場主義が今の若者からでてきている。信頼関係の中のぶつぶつ交換、自給自足、人とのつながりのネットワークを大事にする。先の見えない、給料が増えない今の仕事をやるよりも居心地が良い。この話は、メディアにはでてこない。

経済発展し、お金が入ったら、何でも実現できるというものではない。今の若い人たちは、自分たちが食べていくだけでいいなら、自分たちで食べていけばいいじゃないかと農業に向かっている。今の若者達は、低賃金で働いても食っていけないし、体も壊してしまう。今の若者が農業をやろうと思えばできる。里山は高齢化し、今の若者に農業をやってほしい。農業、林産業、水産業など、欲さえなくせば、一生食っていける。その受け皿が日本にはある。今後、若者は、お金儲けではなく、里山に戻るのではないかと感じている。

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