夜回り先生

覚せい剤リストカット、夜の世界で苦しむ子供たちを、夜回りして救い続けている夜回り先生。国や行政は、やってくれないと 激怒したこともあるようです。子供を愛する実践哲学者の水谷修さんの本です。

夜回り先生 こころの授業

これを読んでいる子供たち、大人の人たちにお願いがあります。一日に一回でいいですから、自分の心を赤ちゃんのときの真っ白な心に戻してみませんか。きっと何かが見えてきます。

日本の多くの親たちが、自分のできなかったことや、自分にとっての理想を子供たちに押し付けているように思えます。こうした親たちからの要求で、多くの子供たちが追い込まれています。子供たちの未来は、子供たち自身が自分で決める権利を持っています。親や教員が自分の価値観を押しつけ、子供の未来をつくろうとすることは、私には許せません。ましてや、子供がそのためにつぶれてしまったら見捨ててしまう親や教員は、なおさら許せません。大人たちへ、子供をおいつめないでください。たとえ学校へ行けなくても、たとえ非行や犯罪を犯しても。子供たちには、自らの明日を考える力があります。

私は子供の嘘やほらが大好きです。子供の嘘やほらには夢がある。過去や今から離れ明日をつくろうという夢があります。多くの親や大人は、子供が嘘やほらを言うと叱ります。私は違います。「いいんだよ、もっともっと大きい嘘やほらを吹きなさい。ただし、ついた嘘やほらが本当のことになるようにやってみるんだよ。嘘やほらも実現すれば嘘やほらじゃなくなる」

子供をつくり生んだら母親になるのでしょうか。「お母さんの子でよかった。生んでくれてありがとう」こう言われて初めて、母親になるのではないでしょうか。これは、私たち教員にとっても同じ事です。「先生、ありがとう」と感謝され、尊敬されて、初めての本当の教員となるのです。

人は、なんで生きるんでしょう。それは、だれかを幸せにするため。

夜回り先生こころの授業