マイクロファイナンスとは

貧困に苦しむ人々を救うために始まったマイクロファイナンスは、バングラディッシュに始まり、アメリカ、フランスなどの先進国でもその力を発揮しているようです。マイクロファイナンスだけでなく、貧困から抜け出せない人々を救えるシステムが日本にも広く導入されることを祈ります。

マイクロファイナンス
 貧困とはその日の食べるものがないことか。そもそも貧困とは何なのか?貧困の定義がはっきりせず、救済すべき貧困の範囲も明確でなければ、救済策もにつまらないということになる。貧困に苦しんでいる人々を見捨てることは人道上許されないとしても、その対策は国や地方時自体などの仕事だと一般に考えられている。

なぜ日本貧困はなくならないのだろうか。実際には貧困がなくならないばかりか、むしろ消費者金融からの借金などで多重債務に陥り貧困が悪化してしまうことさえ多いのはどうしてだろうか。

日本では、貧困に苦しむ人々自身も含めて、貧困は運が悪かったり、怠けて努力が足りなかったりしたせいだと考える事が多い。貧困は自業自得で自己責任、「個人の問題」だと考えられてしまう。しかし、本当に貧困は「個人の問題」として捉えられるべきものだろうか。

いまや、日本は貧困について国際機関から警報をならされる状況に至っている。

生活保護をうけるようになる原因は、病気、ケガ、リストラ、倒産など。なかでも病気やケガがとりわけ大きな割合を占めている。いったん貧困に陥ると自分の力だけで貧困から抜け出す事がなかなか難しくなる。そして貧困は往々にして子供に引き継がれ、世代を超えて継承される事になりやすい。

一日一生懸命働いても200円しか手元に残らないようなワーキンブプアなどがまさにこの生存権以下の貧困に該当する。

ふるさと金融は、地域の資金を地域がみずから活用しようとするものである。インターネット融資は、インターネットを通じて貧困に苦しむ人々と貧困削減を支援したいという意志のある資金を仲介するものである。市民投資信託は、貧困削減などの社会的課題の解決のために市民である個人や企業が出資してつくるファンドである。

マイクロファイナンスでは、借り手の人物や事業を見極めながら、信頼関係を気づく事が必要になる。

消費者金融はお金を貸すが、借り手の自己責任でで資金使途などはいちいち詮索されない。その結果多重債務に陥り貧困に苦しむ人々が増え社会問題化したが、マイクロファイナンスは貧困に苦しむ人々に融資することによって、彼らが貧困から脱却し自立するのを支援する金融である。借り手との信頼関係の上に融資を行う事によって貧困削減に効果を発揮し、しかも驚異的に低い貸倒率を達成している。

貧困は、いまや「社会の問題」として早急に社会全体が取り組むべき時期に来ているように思われる。

所得が増えさえすれば幸福が増大すると限らないのは、私たちが幸福になるには物質的条件だけではなく精神的条件や社会的条件が満たされることが必要だからであると考えられる。

マイクロファイナンスによって持続可能で住みやすい、貧困のない日本と世界を創ろう

マイクロファイナンス―貧困と闘う「驚異の金融」 (中公新書)